キャピタル アセットマネジメント株式会社

[ベトナム] FDI実施額は好調

情報提供資料

2022年10月7日

計画投資省外国投資庁(FIA)が発表した9月20日までの海外直接投資(FDI)のデータによれば、1-9月期のFDI実施額推定値は154億ドルに達し、前年同期比+16.2%増となった。件数では、新規・拡張の合計で2,124件となり、前年同期1,890件と比べて+12.4%増となった。
また、1-9月期のFDI認可額推定値は187.5億ドルで、前年同期(221.5億ドル)の84.7%相当であった。その内、新規認可額は海外の地政学的変動に見舞われたこともあり、前年同期(125億ドル)の57.0%相当の71億ドルに留まったが、追加投資認可額は前年同期64.3億ドルから83.5億ドルへと29.9%増加した。


出所::FIA

 業種別にみると、製造・加工業は121 億ドルを超え、総投資額の64.6%を占める。次いで不動産業は35 億ドル以上に達し、総投資額の18.7%を占めている。

業種別FDI認可額(2022年1-9月期

出所:FIA

1-9月期の主要な案件は、ホーチミン市に隣接するビンズオン省におけるデンマーク系レゴ社によるおもちゃ工場の新規投資(13.2億ドル)、北部タイグエン省における韓国サムスン電機による半導体パッケージ基板工場の追加投資(9.2億ドル)、シンガポール系VSIP(ベトナム・シンガポール工業団地)のバクニン都市開発の追加投資(約9.4億ドル)、バクニン省における香港Goertek社の電子機器工場の拡張投資(3.1億ドル)等である。
国・地域別にみると、ベトナムへ投資した97か国・地域の中で、認可額ベースではシンガポール(47.5億ドル)、韓国(38.2億ドル)、日本(19.2億ドル)が上位を占めている。次いで、中国(約15億ドル)、デンマーク(13.2億ドル)、香港(12億ドル)となっている。

出所:FIA

今後、FDIを引き続き誘致するための対策として、ベトナム政府は9月15日と17日に行政手続きの改革を促進し、管理・指導の方法を近代化するための全国的なオンライン会議、ファム・ミン・チン首相と外資系企業との会談を開催した。これらの会議では、①社会政治・マクロ経済の安定維持、②行政手続き・ロジスティックスのコストの削減や法制・インフラ・人材の完備、企業が直面する課題解決の促進、③サプライ チェーンの開発、④ハイテク・イノベーション研究開発やデジタル経済、グリーン経済、持続可能な開発に積極的に貢献するプロジェクトの優先的な誘致等に注力するとチン首相は強調した。

ベトナム裾野産業協会(VASI)によれば、米アップルがサプライヤーである台湾の鴻海精密等の11の生産工場をベトナムに移してきているとのことである。主要案件事例にも見受けられるように、既存施設への拡張や追加投資が増えている傾向も踏まえて、ベトナムは引き続き魅力的な投資先であると考えられる。

以上


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