ベトナムのホーチミン証券取引所(HOSE)では、韓国取引所(KRX)が設計した新取引システムを2024年5月2日から稼働させる予定である。度重なる遅れを経て、ベトナムの取引所システムはいよいよ先進化に向けたマイルストーンの1つを達成することになる。4月21日、HOSEは証券会社に対して新取引システムの導入に必要な準備を求める書簡を送った模様である。4月27~29日にHOSEにおける新システムへの切り替えを完了した後、証券会社側で4 月 30 日に利用開始のためのテストを実施する予定である。テスト結果に基づき、HOSEは新システムを5月2日に正式に実装する方針としている。
ベトナムは、同国の証券市場を格上げさせるための取り組みを政府のリーダーシップの下で積極化させている。具体的には、FTSE指数(ロンドン証券取引所傘下のFTSEインターナショナルが提供する指数)とMSCI指数(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが提供する指数)の両方において、フロンティア市場から新興国市場への格上げを目指している。このうち、FTSE指数での格上げは2025年3月にも発表されると見込まれている。
FTSEによる最新評価状況によれば、ベトナムは格上げ基準9つのうちの7基準を充足済である。残り2基準では「プレファンディング(取引前の資金の預入れ)を要求されていること」が障壁となっているが、これは新取引システムの稼働と関連細則・通達の改定(既に意見聴取の手続きに入っている)がなされれば解決するものであり、格上げが実現する可能性は高いと予想されている。ベトナム証券市場は、その近代化に向けて佳境を迎えているといえるだろう。
出所:ホーチミン証券取引所、FTSEからの情報に基づきキャピタル アセットマネジメントが作成